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ねえねえきっつん。ダイエットって“たぬき”にも効果あるのかなぁ?
まあ、「ダイエットの種類」にもよるわな。
え”、ダイエットに「種類」なんかあるの!?
ん~、だからおまえはいつまで経っても「めたぼたぬき」なんだよ!
ちゃんと勉強してからやれよな。
うん、する。勉強する!勉強してダイエットする!
しゃーないなぁ、じゃあ「人が太る仕組み」に詳しい、ドクターの 工藤孝文先生を紹介するよ。
今回は、ダイエット治療に詳しい工藤先生に、人が太る仕組みやカロリー制限と糖質制限の違いについてわかりやすく解説してもらいました。
太る原因は糖質だった!糖質を摂ると太る仕組みとは
「カロリーが太る原因」という見解がひとり歩き
めたぬき、きっつん、こんにちは。今日も元気そうだね。では、今日は「人が太る仕組み」や、「糖質」についてお話ししましょうね。
ズバリ結論から言ってしまうと、太る原因はカロリーではなく糖質なんです。
では、なぜカロリーが太る原因だと思われてきたのか、説明しますね。これまで、日本では長いこと充分なエビデンスもないままに「1日の栄養は、タンパク質20%、脂質30%、残りを炭水化物で補いましょう」という見解が続いてきました。これに従うと1日に必要なカロリーの半分を炭水化物で摂ることになってしまいます。
炭水化物といえば、お米やパン、うどん、パスタなどが挙げられますが、これらはほとんど糖質でできています。そして、食後に食べるスイーツやカフェで飲む甘い飲み物にも炭水化物(糖質)がたくさん含まれています。
糖質は体にとって必要、でも摂りすぎると脂肪に
糖質というのは、体を動かすエネルギーの役目を持っています。体にとって必要なので、程良く摂取する必要があります。では、糖質の何が問題なのでしょうか。体が「糖質が入ってきた!」と認識し、必要な栄養素は受け取りつつ、血糖値が上がり過ぎないように調整すべくインスリンが分泌されます。このインスリンは血糖値を下げるときに、余分な糖分を脂肪に変えて体に貯蓄します。これが太る仕組みというわけなんです。
やっぱりカロリー制限より糖質制限が必要。ではカロリーの正体とは?
カロリーが消費されずに残ると太る原因に
カロリーは糖質・脂質・タンパク質の3つの栄養素を合わせたものです。数値は、どのくらい体のエネルギーになるかを表す「単位」と思ってください。摂取したエネルギーは、日々の生活で体を動かしたり活動したりする中で消費されますが、消費されずに体内に残ってしまうと体重増加の原因となってしまうのです。
カロリー制限を続けると、かえって脂肪を増やす原因にも
確かに摂取カロリーを制限すれば、ダイエットの効果が見込めます。しかし、これを継続できるかといわれると難しい人がほとんど。本来摂取すべきカロリーを制限し続けると、筋肉量や基礎代謝量が低下し、エネルギーを消費しにくくなり、かえって脂肪を蓄えやすい体質になるともいわれています。
カロリー制限よりも糖質制限がダイエットに効果的
特に今は飽食の時代。今の日本は「糖質」つまり「炭水化物」を多く摂りがちな傾向があります。こうした時代背景も相まって、カロリー制限よりも炭水化物を減らして体脂肪を落としたり血糖値を下げたりする「糖質制限」がダイエットに効果的だと、近年注目されるようになってきているのでしょう。
関連記事:糖質制限とカロリー制限、効果的なダイエット法はどっち?
糖質の量ってどこで見れば良いの?
栄養成分表示の見方
食材に含まれる糖質量を知るには、栄養成分表示の炭水化物や糖質のところを見ましょう。
栄養成分表示(100gあたり) | |||
---|---|---|---|
熱量 | ○○kcal | ||
たんぱく質 | ××g | ||
脂質 | □□g | ||
炭水化物 | △△g | ||
糖質 | ◇◇g | ||
糖類 | ●●g | ||
食物繊維 | ××g | ||
食塩相当量 | ▲▲g |
糖質量が多い食材といえば、ほとんどの人は主食であり炭水化物の代名詞でもある「ごはん」を思い浮かべるでしょう。しかし、炭水化物は全て糖質なのかといえば、答えは…。
「NO」
厳密にいえば、炭水化物とは「糖質と食物繊維」から構成されていて、体内で消化されてエネルギー源となるものを糖質、体内で消化されずにエネルギー源にならないものを食物繊維といいます。食物繊維とは整腸作用があり、お通じを促してくれる存在。つまり、炭水化物を全て糖質ととらえて制限し過ぎると、腸内環境の悪化につながるリスクもあるのです。
糖質制限ダイエットを長続きさせる方法とは
糖質は幸福度を高める「セロトニン」を分泌
ダイエット成功の秘訣は、急がば回れ。短期間で無理をしてリバウンドしてしまうよりは、緩やかでもずっと続けられることが結局近道といえます。
糖質を多く含む甘い食べ物には、良い点もあります。それは、いわゆる“幸せホルモン”と言われる「セロトニン」といって、ストレスを和らげて幸福度を高める脳内物質を分泌する働きがあること。糖質を制限し過ぎて無理なダイエットをしていると、セロトニンが不足して脳はストレスを感じるようになってしまうのです。そして「もう我慢できない!」と、さらに甘いものを欲し、結果、挫折して体重がリバウンドしてしまう人が多いのです。このように、極端な糖質制限はかえってダイエットを失敗させてしまう恐れもあります。
長続きのコツは「ゆるめのダイエット」
糖質制限ダイエットを長く続けるコツは、とにかく無理をしないこと。例えば、仕事でも必要以上に実力以上のことを無理に頑張ったりすると負荷を感じるでしょう。ダイエットもそれと同じで、本来の自分とあまりにもかけ離れたことをするとストレスがたまって長続きしません。糖質を完全絶ちする必要もなければ、デザートを絶対に食べてはいけないわけでもない。特殊なことはせずに、食べるものや食べ方に気をつければいいだけなのです。
ですから、活動量の多い日中は我慢をしないで、活動量の減る夕飯以降のみ糖質制限を頑張るといったゆるめのダイエット方法がおすすめです。
関連記事:これでリバウンドなし!「午後5時から糖質制限ダイエット」その方法とは?
糖質制限ダイエットは、主食(炭水化物)の見直しからはじめよう
毎日食べるごはんだから。続けることが何より大事だから。
私たちの日常の食生活で、最も多くの糖質(炭水化物)を摂取しているのは、ごはん、パン、麺といった「主食」からです。その主食の「ガマンしない、ムリしない」糖質とカロリーのコントロールが、糖質制限やダイエット成功のカギを握っていると言えます。
お茶碗1杯、レタス約半玉分の「食物繊維」を含む、GI値を抑え、「糖質とカロリーがカット」されたこんなお米もあります。
関連記事:糖質だけ気にしてもダメ?『GI値』そして今注目の『GL値」って何?
なるほど。ゆる〜い糖質制限なら、ボクでも続けられそう!
めたぬーの性格にピッタリのダイエットだな。頑張れよ。
監修
医師
工藤内科 工藤 孝文
内科医・糖尿病内科医・統合医療医・漢方医。
福岡大学医学部卒業後、アイルランド、オーストラリアへ留学。現在は、自身のクリニック:みやま市工藤内科院長として「世界一のかかりつけ医」を目指して、日々、地域医療に力を注いでいる。
専門は、糖尿病・高血圧・脂質異常症などの生活習慣病、漢方治療・ダイエット治療など。「患者さんに寄り添い、心と体を整える」をモットーに診療を行っている。
NHK「あさイチ」、日本テレビ「世界一受けたい授業」、フジテレビ「ホンマでっか!?TV」などテレビ出演多数。また、著書は50冊以上におよび、Amazonベストセラー多数。著書:アスコム「やせる出汁」は15万部突破のベストセラー。
日本内科学会・日本糖尿病学会・日本肥満学会など多くの学会に所属。
2021年5月から開始となったYouTube『工藤孝文のかかりつけ医チャンネル』を開設。
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