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「午後5時から始める糖質制限」

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糖質制限とダイエット

これって、ウソ?ホント?

「糖質制限ダイエットはリバウンドしやすい」って本当なの!? 

「糖質制限ダイエットはリバウンドしやすい」って本当なの!? 

監修 医師 工藤内科 工藤 孝文

「糖質制限ダイエットはリバウンドしやすい」って本当なの!? 

あともうちょっとで目標体重! ご褒美に甘いものたくさん食べちゃおうかな~

あーあ、だいたいみんな、それでリバウンドしちゃうんだよなー。

えっ、リバウンドしちゃうの!?

これだからおまえは、いつまでたっても“メタボたぬき”なんだぞ!
工藤せんせーい、このリバウンド確定たぬきに今日もおしえてあげてくださーい!

糖質制限ダイエットは、正しく行えば効果がすぐに出るけれど、その分リバウンドする人も多いという噂。これってウソ? ホント?リバウンドを防ぐ方法を専門の医師に聞きました。

「糖質制限はリバウンドしやすい?」

めたぬき、きっつん、こんにちは。今日は糖質制限ダイエットがリバウンドしやすいダイエットなのか聞きたいのですね。ズバリ答えは…

答え

「ホント」

なぜ人はリバウンドしてしまうのか

脳が体の危機を感じるとリバウンドする

なぜ糖質制限ダイエットはリバウンドしやすいのでしょうか。それは糖質制限によるダイエットは効果が出るのが早い一方で、長期的に続けることが難しいからです。

まずは、リバウンドの仕組みからお話していきましょう。

リバウンドとは、ダイエット前の体重に戻る、あるいはダイエット前よりもさらに体重が増えてしまう現象のことをいいます。全国の20~40代のダイエット経験者1,055人を調査したところ、過去にリバウンドを経験したことがあると答えた人は全体の73.4%を占めたことが分かっています。それほど、ダイエットとリバウンドは深いつながりがあるということですね。

そんな多くの人が経験しているリバウンドは、なぜ起きるのでしょうか。その理由は諸説ありますが、「セットポイント」が原因のひとつとして考えられます。セットポイントとは簡単にいえばその人の標準値であり、人間に備わった適応能力です。

人間の体は、一時的に体重が減ると、脳が危機感を覚えて「セットポイントに戻さなければ」と働きかけるのです。そして食欲を増進させてエネルギー消費を減らす「レプチン」を分泌させることで、体重を元に戻す、さらには以前よりも体重を増加させるといったことにつながります。これがリバウンドです。

停滞期はリバウンドしやすい

ダイエットを続けていると、ある時期になると体重が減少しづらくなる「停滞期」に突入します。大体、ダイエットを始めて約1カ月が過ぎ、体重が5%ほど減ったタイミングで停滞期がやってくるといわれています。

人によっては1カ月以上続く人もいて「効果が出るまで時間がかかるのがつらい」と、ダイエットに対して消極的になりやすい時期でもあり、よくあるダイエットの失敗例のひとつです。これも脳が危機を感じて「体重を元に戻そう」としている証拠なのですが、こうなると「どうしてこんなに頑張っているのに全く減らないの……?」とくじけてしまい、ダイエットを諦めてしまう人は意外と多いのです。

そして「これだけ頑張っているのに報われないなら好きなものを食べてやる」と、暴飲暴食に走ってしまいます。しかし、停滞期というのは体が”省エネモード“になっていて、栄養を吸収しやすい状態になっています。するとどうなるか、大体想像はつきますよね。そう、いつも以上に脂肪が蓄積されやすくなり、停滞期に入る前よりも体重が増えるというリバウンドにつながってしまう可能性が高いのです。

しかし、停滞期は永遠に続くわけではありません。諦めずに今まで通りのダイエットを継続していれば、必ず結果につながるのです。大切なのはダイエットを継続させる頑張り。ただ、それだけです。

関連記事:糖質制限ダイエットの失敗例から学ぶ、成功させる方法とは?

リバウンドを繰り返すと……

最も恐れるべきなのは、運動をせずに過度な食事制限のみで急激に痩せてからリバウンドした場合です。理想の体重になったからといってダイエットをやめて、通常の食生活に戻すと、みるみるリバウンドしてしまいます。そして「リバウンドしてしまったからまた食事制限をしよう」とダイエットを再開する。このように、太っては痩せ、痩せては太りといった体重の上下を繰り返すことを、ヨーヨーの上下運動になぞらえて「ヨーヨーダイエット」と呼びます。

ヨーヨーダイエットを繰り返した体は、運動をせずに痩せたため筋肉量が減り、基礎代謝による消費カロリーも減少している状態です。つまり、体重の上下を何度も繰り返すとどんどん痩せにくい体になっていってしまうのです。そして「どうしてあのときは痩せられたのに…」と、どんどんナーバスになってダイエットの”沼“から抜け出せなくなる。これが、リバウンドの最も恐ろしい特徴でしょう。

リバウンドを防ぐ方法とは?

極端な減量はリスクを増大させる

さて、質問の「糖質制限ダイエットはリバウンドしやすいのか」についてですが、厳密にいえば、糖質制限であろうとカロリー制限であろうと、リバウンドするときはします。どんなダイエットも気を抜いて以前と同じような食生活に戻してしまえば、体重も元の状態に戻ってしまうのは当然です。大切なのは「習慣化」なのです。

ただ、糖質制限がリバウンドしやすいといわれるのは、あまりにもストイック過ぎる糖質制限ダイエットをやる人が多いからではないかと思われます。日頃から糖質を過剰に摂り過ぎているため、摂取する糖質量を限りなくゼロに近づければ、面白いほどするすると体重は減るでしょう。しかし、これまでたくさん糖質を食べていたのに突然ゼロにするなんて、よほど決心が固くなければそう長くは続きません。

とくに、糖質は脳内麻薬ともいわれ、幸福を感じさせる成分が含まれているため、糖質を摂取しない生活を長く続けると、非常にストレスを感じやすくなるのです。その結果、暴飲暴食に走って大きなリバウンドにつながってしまう――これが、糖質制限ダイエットがリバウンドしやすいと思われる原因だと考えます。

糖質制限ダイエットは、主食(炭水化物)の見直しからはじめよう

毎日食べるごはんだから。続けることが何より大事だから。

私たちの日常の食生活で、最も多くの糖質(炭水化物)を摂取しているのは、ごはん、パン、麺といった「主食」からです。その主食の「ガマンしない、ムリしない」糖質とカロリーのコントロールが、糖質制限やダイエット成功のカギを握っていると言えます。

お茶碗1杯、レタス約半玉分の「食物繊維」を含む、GI値を抑え、「糖質とカロリーがカット」されたこんなお米もあります。

午後5時から糖質制限でリバウンドを防ぐ!

しかし、糖質制限は非常に効率が良く、体にも良いダイエット方法です。まずはリバウンドの原因となる「ストイックなやり方」を避け、緩めの設定から始めてみましょう。例えば、「午後5時以降は糖質を減らした食事を意識する」と決めてみる。ちなみに、糖質を減らす分、肉や魚、野菜を補うことも忘れないようにしてくださいね。これだけならストレスを感じにくくなり、暴飲暴食に走るリスクは大幅に減らせるはずです。

また、緩めの設定であれば習慣化もお手のもの。1食ごとに過敏に糖質量を計算する方法は長続きしにくいですが「夕飯だけ糖質制限を頑張る」という方法なら、日常生活に落とし込みやすいのではないでしょうか。ダイエットが成功するか否かは、いかに習慣化できるかにかかっているからです。

関連記事:リバウンドしない正しい糖質制限ダイエットのやり方は?

また、緩めの糖質制限に慣れてきたら、軽いストレッチやウォーキングなどの運動を習慣化させるのもいいでしょう。代謝を上げて、痩せやすい体づくりをサポートしてくれるはずです。ダイエットは「やめ方」を考えているうちはリバウンドを免れません。ダイエットは「習慣化」。ぜひ、覚えておいてくださいね。

ストイックすぎるとリバウンドしやすいんだね。

おまえの場合は、ストイックじゃ「なさ過ぎる」のが問題だと思うがな…。

ダイエット、続けるならコレ!

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監修

工藤 孝文

医師

工藤内科 工藤 孝文

内科医・糖尿病内科医・統合医療医・漢方医。
福岡大学医学部卒業後、アイルランド、オーストラリアへ留学。現在は、自身のクリニック:みやま市工藤内科院長として「世界一のかかりつけ医」を目指して、日々、地域医療に力を注いでいる。

専門は、糖尿病・高血圧・脂質異常症などの生活習慣病、漢方治療・ダイエット治療など。「患者さんに寄り添い、心と体を整える」をモットーに診療を行っている。

NHK「あさイチ」、日本テレビ「世界一受けたい授業」、フジテレビ「ホンマでっか!?TV」などテレビ出演多数。また、著書は50冊以上におよび、Amazonベストセラー多数。著書:アスコム「やせる出汁」は15万部突破のベストセラー。

日本内科学会・日本糖尿病学会・日本肥満学会など多くの学会に所属。

2021年5月から開始となったYouTube『工藤孝文のかかりつけ医チャンネル』を開設。

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