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「午後5時から始める糖質制限」

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糖質制限とダイエット

おしえて、先生!

糖質制限ダイエットの失敗例から学ぶ、成功させる方法とは?

糖質制限ダイエットの失敗例から学ぶ、成功させる方法とは?

監修 医師 工藤内科 工藤 孝文

糖質制限ダイエットの失敗例から学ぶ、成功させる方法とは?

ねえきっつん、最近とうしつせいげん結構ガンバってんだけど、体重減らないんだよねぇ…。

ふーん。たぶんそれ「停滞期」ってやつだな。

てーたいき?なんか、雨が降るときのアレ? 

それ、低気圧…。
工藤せんせーい!このノー天気だぬきにダイエットのコツを教えてあげてくださーい!

糖質制限でダイエットに成功した人もいれば、「やめた途端にリバウンドした」という人もいます。糖質制限ダイエットを失敗しないための仕組みについて、専門の医師が解説します。 

糖質制限ダイエット失敗例

正しい知識をインプットすべし

めたぬき、きっつん、こんにちは。糖質制限ダイエットについて、失敗例を挙げながら成功させるコツをお話しますね。まず、糖質制限ダイエットの特徴を簡単にまとめると『厳密なカロリー計算をする必要がなく、タンパク質や脂質などお腹いっぱい食べられるものもあって効果が出るスピードも早い』ダイエットと言えます。何だか、誰でもできそうな魅力的なダイエット法ですよね。 

確かに、このダイエットで多くの人が成功しているのですが、その一方で「がんばって糖質制限しているのに全然痩せない」と言う人もいたりします。その違いはどこにあるのでしょう。 

それはズバリ、やり方を間違えているから。やはり、失敗した人にはそれなりに原因があるのです。 

糖質制限ダイエットは、正しい知識のもと、正しい方法で取り組みさえすれば、個人差はあるものの確実に効果が出てくるはずなのです。 

では、「間違った方法」についていくつか例を挙げてみましょう。 

失敗例①:炭水化物を制限して、フルーツを食べるようにした

Aさんの場合:白米やパン、麺類など主食(となる炭水化物)を制限して、代わりに野菜や果物を主食に。サツマイモやバナナをたくさん食べたが……結果出ず。あきらめて元の食生活に戻してしまった。 

この方法の間違い、分かりますか? 

もちろん、白米やパンを控えるのは糖質制限の重要なポイントですが、野菜や果物の糖質がすべて低いわけではありません。バナナの糖質は100gあたり約20gで、糖質が低めのイチゴ(100gあたり約7g)と比べると約3倍にもなります。さつまいもも中サイズ1本で糖質は約60g。これでは糖質制限をしているとは言えませんね。

〈おやつ〉これらの我慢が糖質制限の第一歩!

失敗例②:糖質制限と普通食を繰り返してしまい、ストレスから暴飲暴食に

Bさんの場合:「糖質は一切口にしない」というストイックな一日を過ごし、翌日は「自分へのごほうび」として「何も制限せず好きなものをガンガン食べる」といったサイクルを繰り返していたが……結果出ず。イライラが募って暴飲暴食に走る日が増え、逆に体重が増えてしまった。 

これは明らかに間違った方法です。 

実は、糖質を制限した体に急に白米や麺類などの炭水化物(糖質)を大量に摂ってしまうと、体はここぞとばかりに糖質を吸収し脂肪に換えて蓄積してしまいます。もしかすると、チートデイ(後に記述あり)の意味や目的をはき違えていたのか、とも思いますが、これではあまりにも頻度が多く逆効果。体脂肪が燃えるはずがありません。 

糖質制限ダイエットを成功させるために

停滞期を恐れるなかれ

また、めたぬきくんのように「糖質制限を続けているが、以前のように体重が減らなくなった。むしろ微妙に増えている」といった悩みもよく聞きます。糖質制限に限らず、ダイエットをした人なら誰でも一度は経験する「停滞期」です。まずはなぜ「停滞期」が訪れるのかについて少し説明しましょう。 

「停滞期」は人間の体に備わっている「ホメオスタシス機能」によって起きる現象です。「ホメオスタシス機能」とは、体を一定の状態に維持しようという機能。ダイエットで急激に体重が減ってくると、脳が「いま、体は飢餓状態だ」と判断し、飢餓から守るために栄養の吸収を高めたり、消費カロリーを抑えたりします。体の防衛本能が働いて、体が「省エネモード」に切り替わり、その結果、体重は減らなくなるのです。 

「ホメオスタシス機能」は、私たちが生きるために大切な機能です。これによって停滞期が訪れるのは自然なことで、体が正常に働ている証拠なんです。体重が停滞する期間は人それぞれ。続けていれば自然と脱出できます。 

また、この停滞期を抜け出すために「チートデー」を取り入れるという人もいます。「チート」とは英語で「だます・ずるをする」の意味。停滞期に「食事制限なしに好きなものを食べる日」を設け、飢餓状態をリセットし、痩せやすいモードにするということです。 

摂取カロリーが増えたことで「あれ、飢餓状態は勘違いだったのか」と脳がだまされると成功。省エネモードが解除され、再び体重が減り始めるというわけです。身体が飢餓状態と認識していないのにたくさん食べれば、リバウンドの原因につながります。 

しかし、『好きなものを思う存分食べられる』という一見魅力的な「チートデー」は諸刃の刃。身体が飢餓状態と認識していないのにたくさん食べれば、リバウンドの原因につながります。また、自分の体脂肪率に合った間隔で行わなければ、さらに体重が増えることにもなりかねません。メカニズムをきちんと把握した上で行わないと、なかなか成功にはつながりません。 

停滞期になったからといってさらにストイックになるのではなく、焦らず、くじけず、諦めずにいつものペースで続ける心を持つことが大切です。 

関連記事:「糖質制限ダイエットはリバウンドしやすい」って本当なの!?

糖質制限ダイエットは、主食(炭水化物)の見直しからはじめよう

毎日食べるごはんだから。続けることが何より大事だから。

私たちの日常の食生活で、最も多くの糖質(炭水化物)を摂取しているのは、ごはん、パン、麺といった「主食」からです。その主食の「ガマンしない、ムリしない」糖質とカロリーのコントロールが、糖質制限やダイエット成功のカギを握っていると言えます。

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緩くスタートしよう

糖質制限ダイエットは、比較的短期間で結果が出やすいと言われていますが、それでもやはり一定の期間はかかります。最初からストイックに制限すると、息切れし、力尽きてしまいかねません。長く続けるためには、ゆる~くスタートすることをおすすめします。たとえば、極端な糖質抜きではなく、おいしく楽しく適正な糖質を取ることを推奨する「ロカボダイエット」や、「午後5時からの糖質制限」など無理なく、自分のライフスタイルに合った方法を選ぶこと。それが何よりの失敗しないコツと言えるかもしれませんね。   

関連記事:これでリバウンドなし!「午後5時から糖質制限ダイエット」その方法とは?

そうそう、糖質制限によって栄養バランスが偏るのも、失敗に終わる原因の一つです。特に体を動かすエネルギー源となるタンパク質の不足には気をつけましょう。市販のプロテインを1日1杯飲むだけで、ずいぶん違いますよ。ぜひ、試してみてください。 

停滞期は「ホメオスタシス機能」のせいか〜。

めたぬーはそもそもゆる〜い糖質制限だから、チートデーは必要ないな。

それ、チーっと残念だな。 

…それ、チーっともおもんない。

ダイエット、続けるならコレ!

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監修

工藤 孝文

医師

工藤内科 工藤 孝文

内科医・糖尿病内科医・統合医療医・漢方医。
福岡大学医学部卒業後、アイルランド、オーストラリアへ留学。現在は、自身のクリニック:みやま市工藤内科院長として「世界一のかかりつけ医」を目指して、日々、地域医療に力を注いでいる。

専門は、糖尿病・高血圧・脂質異常症などの生活習慣病、漢方治療・ダイエット治療など。「患者さんに寄り添い、心と体を整える」をモットーに診療を行っている。

NHK「あさイチ」、日本テレビ「世界一受けたい授業」、フジテレビ「ホンマでっか!?TV」などテレビ出演多数。また、著書は50冊以上におよび、Amazonベストセラー多数。著書:アスコム「やせる出汁」は15万部突破のベストセラー。

日本内科学会・日本糖尿病学会・日本肥満学会など多くの学会に所属。

2021年5月から開始となったYouTube『工藤孝文のかかりつけ医チャンネル』を開設。

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