SHARE

「午後5時から始める糖質制限」

+2030005

糖質制限とダイエット

おしえて、先生!

これでリバウンドなし!「午後5時から糖質制限ダイエット」その方法とは?

これでリバウンドなし!「午後5時から糖質制限ダイエット」その方法とは?

監修 医師 工藤内科 工藤 孝文

これでリバウンドなし!「午後5時から糖質制限ダイエット」その方法とは?

ちょっとだけ体重増えちゃったかも…

おまえ、昨日もドーナツ食べてただろ!

ギクッ!だってドーナツ大好きなんだもん!

そりゃ、うまいけどさ、食べすぎなんだよ!
工藤せんせーい、このポンデリングたぬきにイイ糖質制限のやり方を教えてあげてくださーい!

リバウンドせず結果を出したいという人にこそ、糖質制限がおすすめです。今回は、持続可能なダイエット「午後5時から糖質制限」のやり方を、専門の医師に解説してもらいます。

なぜリバウンドしてしまうの?

カロリー制限ダイエットよりも効果が表れやすい糖質制限ダイエット

めたぬき、きっつん、こんにちは。では今日は糖質制限を続けていくための、とっておきの方法をお話しますね。まずは糖質制限ダイエットの仕組みからおさらいしましょう。糖質の代表格・炭水化物は、血中の糖分を脂肪にかえて体に蓄えるインスリンの分泌を増やすという特徴があります。 

このインスリンの役割というのは、体に「糖質が入ってきた!」と認識すると、血糖値が上がりすぎないように調整すべく分泌されます。そして、このインスリンは血糖値を下げるときに、余分な糖を脂肪に変えて体に蓄積します。つまり、炭水化物を過剰に摂取すると、必然的に太りやすい体になってしまうのです。糖質制限ダイエットは、太る原因である糖質を可能な限り減らしましょう、というダイエット方法です。

糖質を制限すると、体の脂肪がエネルギー源として消費されやすくなり、血糖値コントロールも可能なため、結果、太りにくい体になるという仕組みです。摂取カロリーを制限する「カロリー制限ダイエット」よりも食事の満足感が高い上に効率良く体重が落とせるという点から、今やダイエットといったら「糖質制限ダイエット」といわれるほどメジャーなダイエット方法になりました。

関連記事:糖質とは? 人はなぜ太る? カロリーの摂りすぎで太るは間違いだった?

ところがこの糖質制限ダイエット、一歩間違えればリバウンドしやすいというのが大きなデメリットなのです。

ストイックな糖質制限ダイエットは”ドカ食い“の原因に

糖質制限ダイエットは比較的、効果が表れるのが早いので「目標の体重になったからダイエットメニューはやめよう」と、つい気が緩んで食生活が元に戻ってしまう人がいます。これこそがリバウンドの元凶。取り入れる糖質量を減らしていた体に、突然たくさんの糖質を入れてしまうと、体は「やっと糖質が運ばれてきた!」と、ここぞとばかりに糖質を吸収します。

少々極端な表現になりますが、乾き切ったカラカラのスポンジに水を含ませたら急激に水分を吸収して膨んでいくようなイメージです。突然、麺類や白米などの糖質の多いものを摂取すると当然ながら血糖値も急激に上がり、やがて食欲のコントロールが利くかなくなってリバウンドしてしまうのです。

tirachard- stock.adobe.com

糖質制限ダイエットをして目標の数字を達成した後は、少しずつ計画的に糖質を戻さなければならない点に注意することを覚えておきましょう。もうひとつ、糖質制限ダイエットがリバウンドしやすい理由があります。それは「過度な糖質制限」です。丸1日糖質を全く摂らないというようなストイックな糖質制限ダイエットをいきなり始めると、夜に近づくにつれ、「もう耐えられない!」と限界が訪れ、深夜に”ドカ食い“をしてしまってダイエットが失敗に終わる人が多いのです。

夜は1日の中で最も活動量が少なく体脂肪がつきやすいため、せっかく糖質制限ダイエットを頑張ろうとやったことなのに、結果としてリバウンドを招いてしまうのです。

糖質制限ダイエットは、主食(炭水化物)の見直しからはじめよう

毎日食べるごはんだから。続けることが何より大事だから。

私たちの日常の食生活で、最も多くの糖質(炭水化物)を摂取しているのは、ごはん、パン、麺といった「主食」からです。その主食の「ガマンしない、ムリしない」糖質とカロリーのコントロールが、糖質制限やダイエット成功のカギを握っていると言えます。

お茶碗1杯、レタス約半玉分の「食物繊維」を含む、GI値を抑え、「糖質とカロリーがカット」されたこんなお米もあります。

効果的な糖質制限ダイエットの方法は?

午後5時からの糖質制限で十分効果は表れる

peach100- stock.adobe.com

では、リバウンドの可能性を極力減らしてストレスなくダイエットを成功させるにはどんな方法が最適なのかー。それは、夕方以降に糖質を減らす緩やかな糖質制限ダイエットをすること。おすすめなのは「午後5時から糖質制限」です。

「糖質を何グラムに抑えたらいいの?」とか「運動もやったほうがいいの?」などと難しく考えずに、まずは「夕食のご飯を抜いてみよう」「麺類やスイーツは昼間に食べよう」という軽いスタートからで十分それだけでも翌朝の体の軽さに気づくと思います。少し慣れてきたらアフター5だけではなく、1日の糖質量をコントロールする「ロカボダイエット」をやってみるのもおすすめです。

関連記事:糖質制限ダイエットに最適!?流行の「ロカボ」って何?

ロカボとは、極端な糖質制限ではなく、「おいしく楽しく適正量の糖質を摂ること」を掲げる一般社団法人、食・楽・健康協会が推奨する糖質制限のこと。現代の一般的な日本人の食生活では1日に300gほどの糖質を摂取しているといわれているのに対し、ロカボではまずはその約半分程度を目安としてスタートし、1日の糖質量を70~130gに調整します。

どうして午後5時からが効果的なの?

お仕事のタイプにもよりますが、基本的に日中は活動量も多く相応のエネルギーを消費しています。体力、精神力を使う日中は糖質制限を少しだけ意識する程度にし、夕方5時から糖質制限を意識してみてはどうでしょう。 夕食の後は活動量も減り、ゆっくり過ごすことも多いため太りやすいという傾向にあります。ですので夕食の糖質を減らした食事をすると続けやすくより効果的です。 糖質を意識するのは夕方5時以降でOKという、緩めのダイエット方法です。これならストレスなく続けられますし、夕食の糖質が減るとリラックス時に働く副交感神経が優位になって睡眠の質の向上も期待できます。

糖質制限ダイエットと聞くと、多くの人はストイックなダイエットをイメージしがちですが、完全に糖質を避ける必要はないのです。ストイックな方法は長続きしませんし、リバウンドの原因にもなります。できるだけ長く続けられる方法を探すのもダイエット成功への近道。ぜひ「午後5時から糖質制限」にチャレンジしてみてください。

午後5時から糖質制限ダイエットでおすすめの食材

夕食の糖質を減らすとなると、最初のうちは物足りなさを感じるかもしれません。そんなときにはタンパク質がたっぷり含まれている鶏肉や、牛肉、鮭、豆腐などを意識してメニューに取り入れるようにすると、満腹感を得やすくなります。できるだけ食物繊維が多い野菜やタンパク質の多い肉類や豆類のものから食べはじめる「ベジファースト」、「ミートファースト」そして炭水化物を最後に摂る「カーボラスト」を意識して実行すると血糖値の上昇を緩やかにしてくれるため、効果が出やすいでしょう。

さらに加えると、夕食を食べる時間帯はできるだけ早いほうがベスト。なぜなら、人間の体は10時間以上の空腹が続くと体内で脂肪の分解が始まるからです。だらだらと食べ続けていると、それだけ内臓は働き続けなければなりませんから、当然健康にも悪い。せめて「就寝の3時間前までには夕食を食べ終える」という目標を立てられるようになるといいですね。

ゆるやかな、とーしつせーげんが大切なんだね

ドーナツは昼だけにしておけよ!ポンデタヌキ。

監修

工藤 孝文

医師

工藤内科 工藤 孝文

内科医・糖尿病内科医・統合医療医・漢方医。
福岡大学医学部卒業後、アイルランド、オーストラリアへ留学。現在は、自身のクリニック:みやま市工藤内科院長として「世界一のかかりつけ医」を目指して、日々、地域医療に力を注いでいる。

専門は、糖尿病・高血圧・脂質異常症などの生活習慣病、漢方治療・ダイエット治療など。「患者さんに寄り添い、心と体を整える」をモットーに診療を行っている。

NHK「あさイチ」、日本テレビ「世界一受けたい授業」、フジテレビ「ホンマでっか!?TV」などテレビ出演多数。また、著書は50冊以上におよび、Amazonベストセラー多数。著書:アスコム「やせる出汁」は15万部突破のベストセラー。

日本内科学会・日本糖尿病学会・日本肥満学会など多くの学会に所属。

2021年5月から開始となったYouTube『工藤孝文のかかりつけ医チャンネル』を開設。