最近、お肌のハリが気になってね…。
毛むくじゃらでわかんねーよ。
やっぱり、甘いもの食べ過ぎって、お肌に良くないのかな…。
めたぬーの肌なんかどーでもいいけど、甘いもの食べ過ぎは要注意だな。
糖質とお肌の関係、工藤先生に聞いてみるか。工藤先生、教えてくださーい。
糖質のとりすぎで起きる「糖化」はダイエットだけでなく、美肌の敵だとされています。では、逆に糖質制限で美容効果を期待してもいいのでしょうか。糖質と肌の関係、美肌をつくるための糖質制限について専門の医師が解説します。
「糖質」と「肌」の意外なカンケイ!?
ダイエットだけじゃない、糖質制限の効果
めたぬき、きっつん、こんにちは。今回は「糖質」と「肌」の関係性についてお話しますね。
ダイエットを頑張って、希望通りにやせたのはいいけれど、栄養不足のために肌はカサカサ、一気に老けこんでしまっては元も子もありません。ダイエットにチャレンジする時には、やせるだけではなく肌も美しく保ちたいもの。
その意味からもおすすめしたいのが糖質制限。ダイエットの効果だけではなく、肌へも良い影響があるのです。「そんなうまいハナシがあるの?」と疑問の声が聞こえてきそうですが、実は「糖質」と「肌」との間には深~い関係があるのです。
「糖質」の過剰摂取で肌のハリがなくなる?
糖質は、身体や脳を動かす大切なエネルギー源です。しかし、必要以上に糖質をとると、あまった糖質はタンパク質や脂質と結びついて、細胞を劣化させます。これを「糖化」といいます。
糖化によって肌のハリを保つコラーゲン繊維が破壊されると肌は弾力を失い、糖化で生まれた老廃物が皮膚に沈着すると、シミやくすみとなります。糖化は肌のハリや透明感を奪い、たるみやシワの原因となるのです。同様に、髪のタンパク質が糖化すると、髪のハリやツヤがなくなってしまいます。
活性酸素による酸化が「体のサビ」と言われるのに対して、糖化は「体のコゲ」と呼ばれています。そして、この糖化こそが、人間の老化を促進する要因として注目されているのです。
同じ年齢でも「見た目」の印象は大きく異なります。若く見える人もいれば、妙に老けた印象の人も。そこには、「糖質」の過剰摂取、「糖化」が作用しているのかもしれません。
「実年齢より老けてみられるようになった」「最近、肌のハリがなくなった」「肌のくすみが目立つようになった」……そんなあなたは要注意。エイジングケア用品をあれこれ試すだけでなく、糖質を摂りすぎていないかどうか、まずは食生活を振り返ってみましょう。
美容の大敵「糖化」とは?
厄介者のAGEsが全身に悪影響を
「砂糖は美容の敵?それとも味方?」「砂糖は美を損ねるの?」
一概には、どちらとも言えません。ただし、「砂糖・糖質の摂りすぎ」は「美容の敵」。これは確かです。糖質を過剰に摂取すると、タンパク質に「糖」がこびりつき、タンパク質が糖化され、AGEs(Advanced Glycation End Products)「終末糖化産物」と呼ばれる物質が生成されます。これが、厄介者なのです。
ホットケーキを焼くと、こんがり褐色になっていきます。これは「砂糖」が、卵や牛乳などの「たんぱく質」と結びついて変性している「糖化」の一例。カラメルやクッキーも同じです。
食べ物ならば、こんがりといい香りが漂ってくる美味しい反応ですが、ひとたび私たちの体内で起きると大変。AGEsがたまって血管に作用すると動脈硬化や心筋梗塞、脳ならばアルツハイマー、目ならば白内障、骨ならば骨粗鬆症……。ありとあらゆる場所で深刻な病気を引き起こしてしまうのです。
そして、皮膚に蓄積されれば、しみ、しわ、たるみをもたらし、つやとハリがあったはずの黒髪が、いつしかパサパサと情けない姿に変わってしまうのです。
関連記事:「これも糖質が関係する?」老化の原因となる“糖化”って!?
関連記事:「痩せるだけじゃない」糖質制限したら5つのスゴイ効果があるって本当?
糖質制限でダイエットも美肌も手に入る?
無理なく健康的に、美しい肌をキープ!
糖質の摂取は、肌や健康に重大な影響を及ぼす-。「糖質」と「肌」、「糖質」と「美容」の深い関係、おわかりいただけたでしょうか。
ならば、逆も真なり。「糖質」を制限することで、美しい肌を保つことが期待できるはずです。
糖質の摂取がもたらす血糖値の乱高下やAGEsの生成は、肌の老化や皮膚疾患など、美容上、さまざまな悪影響を与えるわけですから、糖質制限によってAGEsの生成を抑えると、美しい肌をよみがえらせることができるのでは? 少なくとも、老化のスピードを抑え、シミやくすみ、シワやたるみを一定程度、防ぐことはできるでしょう。
細身で「ダイエットは必要ない」という人も、美容のために糖質制限を始めてみてはいかがでしょうか。
糖質制限ダイエットは、主食(炭水化物)の見直しからはじめよう
毎日食べるごはんだから。続けることが何より大事だから。
私たちの日常の食生活で、最も多くの糖質(炭水化物)を摂取しているのは、ごはん、パン、麺といった「主食」からです。その主食の「ガマンしない、ムリしない」糖質とカロリーのコントロールが、糖質制限やダイエット成功のカギを握っていると言えます。
お茶碗1杯、レタス約半玉分の「食物繊維」を含む、GI値を抑え、「糖質とカロリーがカット」されたこんなお米もあります。
関連記事:糖質だけ気にしてもダメ?『GI値』そして今注目の『GL値」って何?
おすすめは、午後5時からの糖質制限
一口に「糖質制限」と言っても、さまざまなレベル、さまざまな方法があります。「1日3食すべて糖質を抜く」といった極端な方法ではなく、無理なく糖質制限を日々の生活に取り入れるためには「夕方5時からの糖質制限」といった緩やかな方法がおすすめです。
男女、年齢問わず、健康的な肌が取り戻せると気分も上向きになるものです。無理なく健康的に、そして美しく。ぜひ、糖質制限にチャレンジを!
カラダが「コゲ」ちゃうのって、なんかすごくコワイんだけど…。
まあ、ご先祖様が“カチカチ山”だからな…そりゃそうかもな(苦笑)。
関連記事:「糖質制限ダイエット」あれこれQ&A。簡単?すぐ痩せる?リバウンドは?
ダイエット、続けるならコレ!
お茶碗1杯、レタス約半玉分の「食物繊維」を含む、GI値を抑え、「糖質とカロリーがカット」されたこんなお米もあります。
監修
医師
工藤内科 工藤 孝文
内科医・糖尿病内科医・統合医療医・漢方医。
福岡大学医学部卒業後、アイルランド、オーストラリアへ留学。現在は、自身のクリニック:みやま市工藤内科院長として「世界一のかかりつけ医」を目指して、日々、地域医療に力を注いでいる。
専門は、糖尿病・高血圧・脂質異常症などの生活習慣病、漢方治療・ダイエット治療など。「患者さんに寄り添い、心と体を整える」をモットーに診療を行っている。
NHK「あさイチ」、日本テレビ「世界一受けたい授業」、フジテレビ「ホンマでっか!?TV」などテレビ出演多数。また、著書は50冊以上におよび、Amazonベストセラー多数。著書:アスコム「やせる出汁」は15万部突破のベストセラー。
日本内科学会・日本糖尿病学会・日本肥満学会など多くの学会に所属。
2021年5月から開始となったYouTube『工藤孝文のかかりつけ医チャンネル』を開設。
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