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「午後5時から始める糖質制限」

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糖質制限と美容・健康

おしえて、先生!

「甘いものに依存?」糖質依存はなぜ肥満や老化を誘発するの?

「甘いものに依存?」糖質依存はなぜ肥満や老化を誘発するの?

監修 医師 工藤内科 工藤 孝文

「甘いものに依存?」糖質依存はなぜ肥満や老化を誘発するの?

ねー、きっつん、ときどき無性に甘いものが食べたくなる時ってない?

おまえの場合は、いつもじゃん!

えへへ(笑)

甘いものばっか食べてたら「砂糖中毒」になっちゃうんだぞ!

え“~!ちゅうどくー!こわーい! 

工藤せんせーい!この糖質ジャンキーだぬきに糖質依存について教えてあげて くださーい!

糖質には依存性があり、「マイルドドラッグ」なんて呼ばれることも。実は怖い糖質の話を専門家が分かりやすくお伝えします。

砂糖はマイルドドラッグ 

糖質依存とは?

疲れたときにチョコレートを一口かじったり、クッキーをつまんだりして、ほっと一息。甘いものを口にすると、なんだか幸せな気持ちになりますよね。甘いものは、私たちに幸せな気分をもたらし、癒やしてくれる、とってもいいもの……と思うのは、ちょっと待って! そこには、甘い甘~い落とし穴があるのです。 

砂糖のもう一つの顔。それは「マイルドドラッグ」とも呼ばれる中毒性・依存性です。アルコールも適量ならば、人を心地よくさせるけれど、ひとたび依存症になってしまうと、量やタイミングを自分でコントロールできなくなり、体もボロボロになってしまいますよね。 

砂糖も同じです。空腹ではないのに甘いものが欲しくてたまらなくなり、自分でも不思議なくらいイライラ。とにかく、四六時中、甘いものを摂取しなければ落ち着かない……そんなあなたは、既に「糖質依存」「砂糖中毒」状態に陥っていると言えるでしょう。 

糖質依存はどうして起きる?

糖質依存は「甘いものが好き」「甘党」なんて生易しいものではなく、れっきとした中毒症です。そして、甘いもの・スイーツだけでなく、白米などの炭水化物を過剰に食べることも糖質依存につながるのです。 

それでは、糖質依存はどうやって起きるのでしょうか。 

炭水化物や甘いものなど、食べ物から摂取された糖質は、体内でブドウ糖に変化して全身を巡り、血糖値を上昇させます。特に空腹時に砂糖を摂ると血糖値は急上昇。今度は、膵臓から血糖値を下げるインスリンが一気に分泌されて「低血糖」=エネルギー源として脳に供給されるブドウ糖が不足してしまう状態になります。脳は、このエネルギー不足を「お腹が空いている」と勘違いして、「糖分を摂取して血糖値を上げろ」と指令を出します。 

つまり、砂糖や炭水化物を急激にたくさん摂ると血糖値が急激に下がり、お腹が空いているわけでもないのに、繰り返し甘いものや炭水化物を食べたくなるという現象が起きるのです。 

さらに、砂糖にはドーパミンセロトニンなど脳内神経伝達物質の分泌を促す働きがあります。ドーパミンはやる気や快楽を、セロトニンは精神の安定や安らぎをもたらしてくれるもので、「幸せホルモン」とも呼ばれています。 

そう、「甘い物を食べると、幸せな気持ちになる」……その状態が頻繁に繰り返されると、この快感がクセになって、脳が麻痺してくるのです。そして「快感を得るためには糖質を摂らなければ」……。砂糖が「マイルドドラッグ」と言われるわけがおわかりでしょう。 

メタボも老化も糖質が原因だった!?

糖質依存はメタボを引き起こす

糖質を摂ると血糖値が上がり、膵臓から血糖値を下げるためにインスリンが分泌されるという流れは説明した通りです。 

このインスリンには血中に残っている余分な糖を脂肪に換えて体に溜め込む働きがあります。ですから、インスリンが過剰に分泌されればされるほど、体は脂肪を溜め込みやすくなるのです。これが糖質の太る仕組みです。 

このように、必要以上の糖分を摂取し続けていれば糖尿病だけではなく動脈硬化症や脂肪肝、高血圧症、脳卒中などメタボリックシンドローム系の病気にかかる危険性が高まります。乳がんや子体がんなど婦人科系の病気にかかる危険性だって考えられます。 

糖質と老化の関係性は?

さらに、糖質を過剰摂取し続けていると、エネルギーとして消費しきれなかった余分な糖質が体内のタンパク質や脂質などと結びつき、「AGEs(終活糖化産物)」呼ばれる悪玉物資が生まれ、これが全身のタンパク質に溜まって老化促進物質を生成してしまうのです。

AGEsはタンパク質を攻撃し、その機能を低下させる働きがあるため、身体の老化を引き起こしてしまうというわけです。この状態を「糖化」といいます。 

「実年齢より老けてみられるようになった」「最近、肌のハリがなくなった」「肌のくすみが目立つようになった」「髪がパサつくようになった」と感じている方は、もしかしたら糖質依存によるAGEs量の増加が原因かもしれません。また、AGEsは体内の化学反応によって毎日少しずつ生まれ、体内に溜まっていき、全身の老化を加速させていくのです。 

AGEsの蓄積は肌を老化させるだけでなく、骨粗しょう症や変形性関節症、動脈硬化、認知症など多くのトラブルを発症するリスクも高めてしまいます。 

関連記事:糖化~「糖質制限」は美肌をつくる?

糖質依存度をチェックしてみよう

肥満、老化、多くの疾病を招く糖質依存。自分では「甘いものが人よりちょっと好きなだけ」程度に思っていても、実際は糖質依存症に陥っていたというケースも少なくありません。そこで、誰でも簡単に確認できるチェックリストを用意しました。該当する項目が多い場合は、糖質との付き合い方について見直してみましょう。 

  • あなたは大丈夫? 糖質依存度チェック!
  • ・お腹が空いているわけではないのに甘いものが食べたくなる。
  • ・食後はデザートがないと落ち着かない。 
  • ・甘いものを食べないとイライラが収まらない。 
  • ・甘いものを食べないと頭がぼーっとする。 
  • ・甘いものを食べる量は年々増えている。 
  • ・お腹が空いているわけではないのに、食べ続けてしまう。 

関連記事:「糖質制限ダイエット」あれこれQ&A。簡単?すぐ痩せる?リバウンドは?

糖質制限ダイエットは、主食(炭水化物)の見直しからはじめよう

毎日食べるごはんだから。続けることが何より大事だから。

私たちの日常の食生活で、最も多くの糖質(炭水化物)を摂取しているのは、ごはん、パン、麺といった「主食」からです。その主食の「ガマンしない、ムリしない」糖質とカロリーのコントロールが、糖質制限やダイエット成功のカギを握っていると言えます。

お茶碗1杯、レタス約半玉分の「食物繊維」を含む、GI値を抑え、「糖質とカロリーがカット」されたこんなお米もあります。

午後5時からの糖質制限で糖質依存から脱却! 

糖質依存から抜け出すには?

糖質依存は薬や手術で治る病気ではありませんし、今すぐ命に関わるわけでもありません。しかし、放置しておけば肥満や老化を誘発するだけでなく、さまざまな生活習慣病へと向かっていくのは明らかです。 

「糖質依存かもしれない」と感じた場合は、ぜひ糖質制限に挑戦してみましょう。糖質を全て排除する必要はありません。1日3食甘いものを食べている人は手始めに夜の糖質をカットしてみる。これだけでも習慣化すれば、少しずつ糖質依存から抜け出すことは可能です。 

過度な糖質制限を推奨する情報サイトもたくさんありますが、何もそこまでストイックにやる必要はないのです。無理なやり方ではダイエットは長く続きませんし挫折することになりかねません。 

まずは午後5時からは炭水化物や砂糖を控えて、野菜やタンパク質を中心とした食事に切り替えてみよう」「GI値が低いものから食べるようにしよう」というように、スタートダッシュを緩く設定しておけば、無理なくダイエットすることができて、やがて健康な体が手に入りますよ。 

関連記事:「痩せるだけじゃない」糖質制限したら5つのスゴイ効果があるって本当?

関連記事:糖質だけ気にしてもダメ?『GI値』そして今注目の『GL値」って何? 

チェック項目、当てはまるものが多かった!ヤバイ~💦

とりあえず、コーヒーに「角砂糖5個入れ」はやめときな!

監修

工藤 孝文

医師

工藤内科 工藤 孝文

内科医・糖尿病内科医・統合医療医・漢方医。
福岡大学医学部卒業後、アイルランド、オーストラリアへ留学。現在は、自身のクリニック:みやま市工藤内科院長として「世界一のかかりつけ医」を目指して、日々、地域医療に力を注いでいる。

専門は、糖尿病・高血圧・脂質異常症などの生活習慣病、漢方治療・ダイエット治療など。「患者さんに寄り添い、心と体を整える」をモットーに診療を行っている。

NHK「あさイチ」、日本テレビ「世界一受けたい授業」、フジテレビ「ホンマでっか!?TV」などテレビ出演多数。また、著書は50冊以上におよび、Amazonベストセラー多数。著書:アスコム「やせる出汁」は15万部突破のベストセラー。

日本内科学会・日本糖尿病学会・日本肥満学会など多くの学会に所属。

2021年5月から開始となったYouTube『工藤孝文のかかりつけ医チャンネル』を開設。

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