糖質制限とダイエット
おしえて、先生!
色んなダイエットを比較!おすすめは糖質制限ダイエット?
監修 医師 Alohaさおり自由が丘クリニック 院長 藤堂 紗織
ねえねえ、きっつん、ダイエットの中でもやっぱりとーしつせいげんダイエットが一番なのかな?
どーせ、もう糖質制限に飽きてサボってんだろ?(呆)
ギクッ!ちがうよー!ちょっと聞きたかっただけー!
とぼけてもダメー! でもちょっと気になるから聞いてみるか。
藤堂せんせーい、このサボリたぬきにいろんなダイエットの種類を教えてくださーい!
糖質制限や月曜日断食などさまざまなダイエットが話題になっています。今回は、各ダイエットの長所・短所を比較しながら専門の医師が解説します。
カロリー制限ダイエットなど、ダイエット法はさまざま
結果が出やすい「糖質制限ダイエット」
めたぬき、きっつん、こんにちは。今日は話題のダイエット法についてお話していきますね。まずは、糖質制限ダイエットからお話ししましょう。糖質制限ダイエットとは、簡単にいえば炭水化物(糖質)の量を減らすダイエットのこと。糖質を制限すれば血糖値が緩やかに上昇するので、インスリンの分泌が抑えられて脂肪がつきづらくなります。余分な糖質がない分、体内の脂肪がエネルギー源となり脂肪を燃やして痩せることができます。
糖質制限ダイエットでは、最初からストイックに「炭水化物(糖質)を完全に断つ」というやり方では、長続きしません。ですから3食のうち1食は糖質を抜く、もしくは減らすといった「緩やかな糖質制限ダイエット」からはじめるのがおすすめ。1日の糖質量は70〜130g内におさめるのが目安です。ルールが簡単でやりやすく、結果が早く出るところがメリットです。また、糖質を制限するとむくみもとれ、最初に1、2キロはするすると体重が減っていくため、早めに効果を実感しやすいでしょう。
糖質制限ダイエットのデメリットは、途中でやめるとリバウンドしやすいということ。目的の体重まで落とせたからといって、これまでの食事に戻って急に白米や麺類などの炭水化物を食べれば、体はここぞとばかりに糖質を吸収してしまいます。炭水化物を少し減らすといった緩やかな糖質制限なら多くの方が継続できるでしょう。
栄養バランスに気をつける必要あり「カロリー制限ダイエット」
1日の摂取カロリーの上限を決めて、その範囲内で食事を摂るのがカロリー制限ダイエットです。摂取カロリーが消費カロリーを上回らないようにする必要があります。カロリー制限ダイエットのメリットは「カロリーが高いものを食べない」という考え方が簡単なところです。献立に迷ったら、カツ丼やラーメンのようなハイカロリーなメニューは避け、野菜の煮浸しや焼き魚を選ぶ…とわかりやすいですよね。
デメリットは、カロリー制限を実践するのは意外と難しいこと。たとえばアルコール100kaclと野菜100kcalでは、同じ100kcalでも体にいいかどうかは全然違うと思いませんか?「カロリーは同じだから、ごはんの代わりにお菓子を食べる」、「カロリーが低い野菜とこんにゃくしか食べない!」…そんな食生活では、栄養バランスが悪くなって体を壊したり、基礎代謝が下がって痩せにくくなったりといいことがありません。バランスのよい食事を目指しましょう。
16時間断食が話題!「断食ダイエット」
断食ダイエットは、ファスティングダイエット、オートファジーダイエットとも呼ばれ、ある期間食事を摂らないダイエットのこと。ここ数年は、月曜日だけ断食する「月曜断食」や、1日の中で8時間は何を食べてもいいけど残りの16時間は断食する「16時間断食」などが話題になっていますね。何も食べないことで、脳や体を動かすためのエネルギー源が食べ物から体内の脂肪に代わり、脂肪が燃焼して痩せるという仕組みです。
断食ダイエットのメリットは、やり方が簡単で内臓を休ませてあげられるところです。また、胃腸をリセットすることで腸内環境の改善も期待できます。デメリットはハードなところ。断食というだけあって、何も食べない時間が長いということは、それだけストレスを感じますし、続けるには「食べない!」という忍耐力が必要になります。また、食事を抜くのでめまいや手や指の震えなどの症状を引き起こす低血糖になりやすくなります。
関連記事:最近注目の「オートファジーダイエット」。糖質制限を合わせたら効果は倍増
やせ体質になれる!?「筋トレダイエット」
食事制限ではなく、筋トレをすることで体重を減らす筋トレダイエット。メリットは筋肉量が増えることで基礎代謝がアップして、痩せやすい体質に変わること。デメリットは痩せるまで時間がかかることです。筋トレ開始直後は筋肉量が増えるので体重が増える場合もあります。くじけそうになるかと思いますが、諦めずに筋トレを続ければ基礎代謝が上がって痩せるので少しの我慢が必要です。あとは筋トレしているからといって気にせず食べていたら太るので、ある程度は食事内容にも気をつける必要はあります。
危険性が高く難しいので要注意「ケトジェニックダイエット」
ケトジェニックダイエットとは、糖質を極限まで制限して、エネルギー源を糖質から脂質(ケトン体)に変えて、体脂肪を燃やすというもの。糖質を制限するため、先述の「糖質制限ダイエット」と近いものがありますが、ケトジェニックダイエットは糖質制限よりもさらに厳しく糖質制限するダイエット法です。
1日の糖質量を30〜60g以下に抑えますが、そこまで糖質を制限しても、体内の脂質を燃やし始める「ケトーシス」という状態になるまで時間がかかります。絶食した場合でも3〜4日はかかるのでハードです。吐き気やめまい、手指の震え、便秘といった低血糖の症状が出やすくなりますし、独特の体臭や口臭も出ます。体脂肪が落ちやすいといったメリットはありますが、リスクも大きいといえます。
すべてを記録するのは難しい「レコーディングダイエット」
レコーディングダイエットとは、食べたものと体重を毎日記録するダイエット法です。記録することによって、自分が太った原因を発見して、それを直すことで痩せていく…という仕組みです。手軽さが魅力的ですが、効果が出づらいという声もあります。飴を1粒舐めた…そんな少しの間食まできちんと記録できなければ効果は出にくいのです。当たり前のことですが、ただ記録しているだけで食事に気をつけない人は痩せません。記録しているからオッケー!と食べすぎていたら太ります。
すべてのダイエットに組み込むべし「食べる順番ダイエット」
食べる順番ダイエットは、食事の順番に気をつけるだけのとても簡単なダイエット法です。まず、食物繊維が豊富な野菜や海藻から食べ始め、次にタンパク質のおかず、最後にお米や麺などの炭水化物を食べるという順番です。野菜から食べ始めることで、血糖値が緩やかに上昇するため、太りづらい体をつくります。
血糖値の上昇が緩やかになることで老化の原因である「糖化」の予防にもなりますし、最後に食べる炭水化物の量を減らせば、ダイエット効果が期待できます。食べる順番を変えるだけなので、他のダイエットをしている人も同時に試すことができます。特に血糖値の上昇を緩やかにしてくれる糖質制限ダイエットと組み合わせるのがおすすめです。
関連記事:「これも糖質が関係する?」老化の原因となる“糖化”って!?
最強のダイエットは!?
ダントツで糖質制限ダイエット!
この中で最も効果的なダイエットを挙げるとすれば、ダントツで緩やかな糖質制限ダイエットです。それはずばり、やり方が簡単で、痩せやすくて、安全だから。こんなに挑戦してもらいやすくて効果も出やすいダイエットはなかなかありません。無理をしなくてもいいのが特徴で、夕食の炭水化物を減らす「午後5時からの糖質制限」はとても効果的。ダイエットが気になる方はぜひ少しずつ取り入れてみてはいかがでしょうか。
糖質制限ダイエットは、主食(炭水化物)の見直しからはじめよう
毎日食べるごはんだから。続けることが何より大事だから。
私たちの日常の食生活で、最も多くの糖質(炭水化物)を摂取しているのは、ごはん、パン、麺といった「主食」からです。その主食の「ガマンしない、ムリしない」糖質とカロリーのコントロールが、糖質制限やダイエット成功のカギを握っていると言えます。
お茶碗1杯、レタス約半玉分の「食物繊維」を含む、GI値を抑え、「糖質とカロリーがカット」されたこんなお米もあります。
やっぱりイチオシはとーしつせいげんダイエットかー!
んなの最初っから分かってんだから、サボってないでキチンとやれー!
監修
医師
Alohaさおり自由が丘クリニック 院長 藤堂 紗織
日本医科大学医学部卒業。
日本医科大学武蔵小杉病院で研修後、腎臓内科学教室に入局。
その後、善仁会丸子クリニックにて10年院長勤務。
現在は、Alohaさおり自由が丘クリニックを開業。内科、皮膚科、美容皮膚科を標榜している。
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