糖質制限とダイエット
これって、ウソ?ホント?
1日3食よりも「1日5食」のほうが太らない!?これってホント!?
監修 医師 Alohaさおり自由が丘クリニック 院長 藤堂 紗織
目次
ねえねえきっつん、いいこと聞いたよ!1日3食よりも、5食のほうが太らないって本当?
あー、確かに聞いたことあるなぁ。
わーい!なんて楽なダイエット!
まさかおまえ、1日5回、毎度たらふく食えるって思ってねぇだろうな!
藤堂せんせーい、1日5食ってありですか?ホントかどうか、教えてくださーい!
1日3食が一般的な食事回数ですが、実は1日5食のほうが太りづらかった…!?この驚きの事実について、糖質やダイエットのことに詳しい専門の医師が解説します。
Q:1日3食よりも、1日5食が太りづらい?これって本当?
めたぬき、きっつん、こんにちは。1日3食よりも5食のほうが太らないのかを聞きたいのですね。糖質制限ダイエットや、カロリーダイエットなどさまざまなダイエットで痩せようと努力している人は多いもの。食事の回数を変えこともダイエットにつながるなら、試してみたいと思うでしょうね。では、事実はどうなのか、答えは…
「ホント」
実は1日の摂取カロリーが同じであれば、食事回数が多いほうが太りづらいと考えられています。
1日の理想的な食事回数としては、1日5食がおすすめです。できるのであれば1日7食でもよいのですが、いつもの3食と同じ量を7回に分けた場合、1回あたりの食事量が極端に減ってしまって満足感を得られにくいので、5食が現実的な回数だと考えられます。
同じ量を食べるなら、1日3食よりも5食が太らない理由
脂肪を蓄える飢餓ホルモンに要注意
では、なぜ食事回数が多い方が太りづらいのか、その理由を説明しますね。それは「飢餓ホルモン」という存在があるからです。今でこそ日本人の食生活は恵まれていますが、人間は人類誕生からずっと飢餓と戦ってきました。そのため食事回数が少なく空腹の時間が長いと、脳は「いつ栄養が摂れるかわからない、またしばらく栄養を摂れないかも」と考えてしまいます。
すると飢餓ホルモンが分泌されて、体内のブドウ糖を脂肪に変えて蓄えてしまいます。そして貴重なエネルギーをなるべく消費しないようにと代謝も抑制させてしまいます。しかし、1日数回にわけて食事を摂ることがわかっていれば飢餓ホルモンは活動しなくなるので、1日3食の場合よりも5食のほうが太りにくいというわけです。
反対に空腹のときの「ドカ食い」に要注意
反対に食事の回数が少なく、お腹が空いてドカ食いしてしまいやすい人は要注意です。そういった人は血糖値が急上昇する「血糖値スパイク」を引き起こしやすくなります。血糖値スパイクとは、食後の血糖値が急上昇・急降下を続ける現象のこと。血糖値スパイクの状態になると頭痛や吐き気、眠気などを催したり、血管を傷つけて病気の原因になったりと健康によくありません。
また、血糖値を下げるためにインスリンが過剰に分泌されてしまいます。インスリンは余った糖を脂肪に変える働きをするため、脂肪を溜め込みやすくなってしまうのです。
1日5食であれば、血糖値の急上昇が抑えられるため、血糖値スパイクの症状が出にくくなるというメリットもあります。他にも、数回に分けて食べることで脳が満足して精神が安定するといった効果もあります。回数が増えることで胃腸への負担を心配する声もありますが、摂取カロリーが変わらないのであれば、1回あたりの食事量も減るため心配する必要はありません。
関連記事:6人に1人が糖尿病予備軍?『糖尿病の原因は糖質』なの?
1日5食の場合、どんな食事がおすすめ?
夕食を軽くするのがコツ
実際に1日5食を実践する場合、どのような食事内容にするとよいでしょうか。たとえば、これまでは朝食に食パン2枚を食べていたとします。これを1日5食で考えた場合、朝食に食パン1枚を食べ、その2〜3時間後に食パン1枚を食べる…といったように、これまでの1日3食の量を5回に振り分けていくと考えてください。間隔を約3時間空けると、スムーズに1日5食にすることができます。
たとえばこんな食事はいかがでしょうか。
まず1食目は午前7時に朝食としてヨーグルトと食パンを1枚食べ、
2食目は午前10時に食パン1枚とハムを食べる。
3食目は午後1時に昼食としていつも通りパスタとサラダを食べる。
お腹が空いてくる午後4時には4食目として豆乳やナッツ類を少しつまむ。
そして夕方に5食目の食事を食べる。
この夕食は糖質を減らしたほうが痩せやすいので、野菜サラダやスープとお肉類を主食にする…こうした食事内容であれば、しっかり食べていて満足感もありながら、夜間の血糖値の上昇を緩やかにしてくれます。そもそも夜は多くのエネルギーを必要としないので、夕食は最低限の量だけを食べて、その分を他の食事に分けていくのがおすすめです。
糖質制限ダイエットは、主食(炭水化物)の見直しからはじめよう
毎日食べるごはんだから。続けることが何より大事だから。
私たちの日常の食生活で、最も多くの糖質(炭水化物)を摂取しているのは、ごはん、パン、麺といった「主食」からです。その主食の「ガマンしない、ムリしない」糖質とカロリーのコントロールが、糖質制限やダイエット成功のカギを握っていると言えます。
1日5食に、こんな「こんにゃく米」を加えるとなおイイかもネ♪
お茶碗1杯、レタス約半玉分の「食物繊維」を含む、GI値を抑え、「糖質とカロリーがカット」されたこんなお米もあります。
関連記事:糖質だけ気にしてもダメ?『GI値』そして今注目の『GL値」って何?
1日5食にオススメのコンビニで買える食品とは?
まず、価格の安いものは、基本的に太りやすいと考えたほうがよいでしょう。300〜400円程度で買える丼ものや唐揚げ弁当は、炭水化物が多くて太りやすいです。
最近では低糖質・高タンパクな商品のラインナップが充実しており、ゆで玉子やサラダチキンをはじめとして、大豆や魚を使った高タンパク商品が増えています。こういった商品を利用するのもよいでしょう。
関連記事:「どう選ぶ?」夕飯やおつまみにもおすすめ、コンビニの低糖質商品
効果的に痩せたいなら運動も取り入れよう
最強の運動はウォーキング!?
1日5食生活によって痩せやすくなりますが、食事を変えるだけで痩せ続けるのは難しく、ダイエットに成功している人は、皆さん緩やかな運動をしています。
運動といってもハードなトレーニングに挑戦するのではなく、会社の昼休みに散歩をしたり、通勤を徒歩に変えたりといったウォーキングがおすすめです。継続することが大事なのですが、運動を習慣化することは難しくてハードな運動だと長続きしません。ウォーキングは手軽に始められる割に体への負担も少ないので、運動初心者は短時間のウォーキングからスタートするといいのではないでしょうか。緩やかな運動をして筋肉をつくり代謝をあげて痩せていきましょう。
1日5回も食べれるなんて、お楽しみの時間が増えて幸せだなぁ♪
食べてばかりじゃないで、運動もしなきゃメタボたぬきのままだぞ!
監修
医師
Alohaさおり自由が丘クリニック 院長 藤堂 紗織
日本医科大学医学部卒業。
日本医科大学武蔵小杉病院で研修後、腎臓内科学教室に入局。
その後、善仁会丸子クリニックにて10年院長勤務。
現在は、Alohaさおり自由が丘クリニックを開業。内科、皮膚科、美容皮膚科を標榜している。
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