糖質制限と美容・健康
おしえて、先生!
「これも糖質が関係する?」老化の原因となる“糖化”って!?
監修 医師 Alohaさおり自由が丘クリニック 院長 藤堂 紗織
目次
ねえねえ、最近肌の調子が悪くって、気分が落ち込んでるんだ~。
毛むくじゃらでわかんねーよ。どうせまた甘いものばっか食べてたんだろ?
バレてる…。どうしても食べたくなってさ…、ケーキ3つも食べちゃった。
あーあ、甘いものには砂糖がいっぱい入ってて、食べ過ぎると「糖化」っていうこわーいコトが起きるんだぞ。
藤堂せんせーい、今日もこの激甘たぬきに「糖化」の怖さを教えてあげてくださーい!
老化の原因として注目を集める「糖化」とは一体何なのか。抗糖化する方法や糖化度をセルフチェックする方法など、糖化について気になる情報を専門の医師が解説します。
糖化とは何か
老化を促進させるメカニズム
めたぬき、きっつん、こんにちは。今日は糖化についてお話しますね。糖化とは、糖質の摂りすぎで起こる老化現象のことです。余分な糖質が体内のタンパク質と結びつくと「AGEs(最終糖化産物)」と呼ばれる悪玉物質が大量につくられてしまいます。
AGEsとは老化物質の1つで誰の体内にも存在し、加齢によっても増えていきます。しかし糖質やAGEs量が多く含まれている食品を食べすぎると体内のAGEsが激増してしまい、美容面や健康面で悪い影響を及ぼします。AGEsはコゲつきのようなもので、ホットケーキや焼き鳥、お好み焼きなど、料理するとこんがり、きつね色に焼きあがりますね。これはいわゆる「コゲ」と呼ばれるものですが、これと同じことが私たちの体にも起きるのです。
関連記事:「甘いものに依存?」糖質依存はなぜ肥満や老化を誘発するの?
糖化によってできる「AGEs」その恐ろしい影響とは
アルツハイマー、白内障、動脈硬化、生活習慣病…さまざまな病気の原因に
糖化してAGEsが増えると、体にどんな影響があるのでしょうか。AGEsは「活性酸素」や「酸化ストレス」と同じように、老化を進める物質です。全身のどこにでも蓄積し、その場所で悪さをします。肌の細胞に蓄積すれば、シミやシワ、たるみの原因になります。髪に蓄積すればパサパサに、血管であれば血管壁をボロボロにして動脈硬化や高脂血症を引き起こします。
糖化させない「抗糖化」という考え方
何事もやりすぎないことが大切
糖化を防ぐためには「抗糖化」という考え方を意識するだけでも効果が期待できます。抗糖化のために大切なのは、糖質の多いものを摂りすぎないということ。そして、食後血糖値が急上昇しないよう、食べる順番も意識しましょう。野菜やお肉の次に炭水化物を食べる「ベジファースト」「ミートファースト」は、ぜひ取り入れていただきたいです。
そして、あれもこれも絶対に食べてはいけないと我慢しすぎるのもよくありません。厳しすぎる制限は必ずといっていいほどリバウンドしてしまいます。食物繊維をとったり、運動をしたりといったことも抗糖化にとって大切ですが、何事もやりすぎないことが一番大切です。
抗糖化に役立つ飲み物やビタミンとは
それでは、抗糖化に役立つ飲み物についてお話しますね。まず飲んでほしいのが、昔から日本人にはなじみが深い「緑茶」です。なぜなら、抗糖化・抗酸化作用が期待できるカテキンが豊富に含まれているからです。味も美味しくて手に入りやすいといったメリットもありますが、何よりたくさん摂っても悪い影響がでることが考えづらいので安心して飲めます。味に癖はありますが、ドクダミや米ぬかも抗糖化が期待できます。
栄養素でいえば、ビタミンCもおすすめです。糖化を防ぐだけではなく、肌のキメを整えたり、疲れがとれたりするのに役立ちます。ビタミンCは体内で生成できないため食品から摂る必要がありますが、フルーツを食べてビタミンCを摂取しようとしても、レモン1個から摂取できるビタミンCはたったの2mg。成人の推奨摂取量は1日100mgですからレモンを50個食べる必要があります。どう考えても現実的ではありませんよね。ですから、サプリメントをうまく取り入れるとよいでしょう。他にも、肌を美しく保ちたいなら皮脂分泌をコントロールするためにビタミンB6とB2を一緒に摂るのもおすすめです。
糖化度をセルフチェックする方法
見た目や生活習慣で糖化度がわかる!?
自分が糖化しているかどうか気になる人に向けて、簡単なセルフチェックをご紹介します。生活習慣などを振り返ってみて、下記の項目に当てはまる数が多いほど糖化していると考えてよいでしょう。
糖化につながる食品はズバリこれだ!
GI値に要注意
ずばり、GI値(グリセミックインデックス)の高いものが糖化しやすい食品です。GI値とは食後血糖値の上昇度を示す指数のこと。葉物野菜や蕎麦など食物繊維の多い食品はGI値が低いのですが、揚げ物や加工食品などは総じてGI値が高め。特にソーセージのような加工肉は、糖化を促進する糖質をはじめ、添加物がたくさん入っているので要注意です。一見ヘルシーに見えるフルーツも糖質が多いため食べすぎないようにしましょう。
関連記事:糖質だけ気にしてもダメ?『GI値』そして今注目の『GL値」って何?
糖質制限ダイエットは、主食(炭水化物)の見直しからはじめよう
毎日食べるごはんだから。続けることが何より大事だから。
私たちの日常の食生活で、最も多くの糖質(炭水化物)を摂取しているのは、ごはん、パン、麺といった「主食」からです。その主食の「ガマンしない、ムリしない」糖質とカロリーのコントロールが、糖質制限やダイエット成功のカギを握っていると言えます。
お茶碗1杯、レタス約半玉分の「食物繊維」を含む、GI値を抑え、「糖質とカロリーがカット」されたこんなお米もあります。
糖化を抑制するためにできること
糖化を抑制するためには、AGEsが多い食品を避け、糖質を摂りすぎないことが大切です。白米であれば1日2膳を目安に食べていれば、体内で糖が余らず糖化を防ぐことができるのではないでしょうか。夜はエネルギーをあまり必要としないので、夕食だけ炭水化物を抜く「緩やかな糖質制限」は、ダイエットだけではなく糖化を予防するためにも効果的だといえます。
運動も糖化を防ぐために欠かせないので、運動と食事の両軸で進めていきましょう。今まで運動の習慣がなかった人はいきなりハードなトレーニングを始めるのではなく、少しずつ日常に加えてください。昼休みに少し歩いてみたり、一駅手前で降りて歩いて帰ったり…とストレスなく続けられる緩やかな運動を取り入れて、抗糖化を目指しましょう。
最近運動してないし、甘いもの食べちゃったし、やっぱり糖化してるのかも…。
めたぬーは自分に「ちょ~甘い」激甘たぬきだからな。気を付けなきゃだぜ!
監修
医師
Alohaさおり自由が丘クリニック 院長 藤堂 紗織
日本医科大学医学部卒業。
日本医科大学武蔵小杉病院で研修後、腎臓内科学教室に入局。
その後、善仁会丸子クリニックにて10年院長勤務。
現在は、Alohaさおり自由が丘クリニックを開業。内科、皮膚科、美容皮膚科を標榜している。
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