糖質制限と美容・健康
おしえて、先生!
糖質制限したら「痩せるだけじゃない」5つのスゴイ効果があるって本当?
監修 医師 Alohaさおり自由が丘クリニック 院長 藤堂 紗織
目次
最近、ボク、お肌が「プルンプルン」してるんだよね♪これって、とーしつせいげんの効果かなぁ?
ん~、めたぬーの場合は、糖質制限の「美肌効果」なのか、ただの「脂肪」なのかよくわかんねーな…。
そもそも、とうーしつせいげんしたら、他にも何かイイコトあるの?
もちろんあるさ!美容や健康に詳しい藤堂先生の話をよーく聞いてみな!
糖質の摂りすぎは体に悪い?糖質制限が健康に良い理由って?糖質制限の効果について医師の藤堂紗織先生に詳しく解説していただきます。
糖質を摂りすぎたら、どうなるの?
糖尿病、肥満、動脈硬化…さまざまな病気のリスクが高まる
めたぬき、きっつんこんにちは。まず糖質を摂りすぎると体にどのような症状がでるのかというところからお話しますね。まず、糖質の摂りすぎは糖尿病をはじめとしたさまざまな病気の入り口となってしまいます。
まず食事をすれば、だれでも血糖値は上昇します。しかし健康な人であれば、食後2時間もすれば140㎎/dL未満の空腹時まで低下しますが、糖質を摂りすぎると血糖値が低下せず、140㎎/dL以上の高い値が続く「食後高血糖」の状態になる場合があります。この「食後高血糖」は重大な合併症を発症するリスクを高めることがわかってきました。
どのような重大な合併症があるかというと、糖尿病や動脈硬化、脳卒中、認知症、がん発症のリスクも高めてしまいます。糖質の摂りすぎは、身体にとってよくないことだとわかりますね。
では逆に、糖質を減らしたり制限したりした場合はどうでしょう。糖質制限を続けると身体にうれしい変化が表れるようになります。糖質制限の効果について詳しく説明していきます。
関連記事:6人に1人が糖尿病予備軍?『糖尿病の原因は糖質』なの?
こんなにイイことづくめ!「糖質制限」の5大効果
①脂肪がつきにくくなる!?
まずは「脂肪がつきにくくなる」ということ。つまり、ダイエットに効果的ということですね。人が太ってしまうメカニズムをおさらいしましょう。まず糖質を摂取すると血糖値が上昇し、膵臓からインスリンというホルモンが分泌されます。インスリンは全身の細胞にブドウ糖を送り込む働きをしますが、糖質を摂りすぎているとブドウ糖が余ってしまいます。この余ったブドウ糖はインスリンによって中性脂肪に変えられるため、太ってしまうのです。
そこで糖質制限をすれば、余分なブドウ糖が減ってインスリンの分泌も少なくなり、結果として脂肪がつきにくくなるというわけです。
②生活習慣病の予防・改善が期待できる
「さまざまな病気の予防効果」もあります。糖質を制限することで糖尿病、肥満、高脂血症、高尿酸血症、循環器病、大腸がん、歯周病などの病気の予防・改善が期待できます。糖質制限によって、インスリンの分泌が抑えられ糖尿病になりにくくなるのはもちろん、血糖値の乱高下を防ぐことで血管系の病気の予防にも効果的です。さらに適度な運動を加えれば、肥満や高脂血症も解消に向かうと考えられます。
③美肌効果が期待できる
「美肌」にも期待できます。実は肌を老化させる原因の一つに糖質があります。糖質を摂りすぎると、余分な糖質が体内のタンパク質と結びつくことで「AGEs(糖化最終生成物)」と呼ばれる悪玉物質がつくられてしまいます。AGEsが肌に蓄積するとシミやシワ、たるみの原因となるといわれています。糖質制限によって余分な糖質を残さないことで肌の老化を防ぎ、肌の調子がよくなることが期待できます。また、糖質を制限することで、主食の白米や麺類の量が減り、肉や野菜の摂取量が自然増えることから、美肌につながるとも考えられます。
④むくみが解消される!?
「むくみの予防・改善」にも期待ができます。手足や顔のむくみが気になる方も多いかと思います。実は糖質は水も一緒に含んでいて、糖質1gにつき3gの水がくっついています。糖質を制限することで体内に溜まっていた糖質がエネルギーとして使われるようになると、糖質にくっつくはずの水分がなくなるので、むくみが解消されるというわけです。
⑤集中力の低下、日中の眠気、イライラが解消!?
「眠気やイライラといった不快な症状」も改善します。血糖値が急激な上昇・下降を繰り返す「血糖値スパイク」。実は糖尿病でなくても血糖値スパイクになる方は大勢います。とくに心当たりはないのに冷や汗で気持ち悪くなったり、食べたあとにやけに眠くなったり…こうした症状に心当たりのある方もいるのではないでしょうか。糖質を制限することによって血糖値の乱高下を防ぐことができ、集中力の低下や眠気、イライラといった不快な症状が低減されるのです。
糖質制限しすぎは体に悪い?
過度な糖質制限は危険
糖質制限によるメリットがたくさんある一方で、過度な糖質制限には注意が必要です。過剰に糖質を制限してしまうと、低血糖や便秘、口臭・体臭の悪化、筋肉量の減少、下痢、吐き気といった症状に悩まされるリスクを高めてしまうため、やりすぎは禁物です。
ゆるやかな糖質制限でダイエットを成功に導こう
糖質コントロールできる食事メニュー選びのコツ
糖質制限中に食べるメニューで迷ったときは、食後血糖値の上昇度を示す「GI値(グリセミック・インデックス)が低い食品」を選ぶのがおすすめです。パンなら全粒粉、お米なら玄米といった低GI食品を選ぶと太りにくいでしょう。
低GI値:55以下 | 中GI値:56〜69 | 高GI値:70以下 |
低GI(55以下) | 中GI(56〜69) | 高GI(70以下) | |
穀類 | そば、スパゲティ、 押し麦、春雨 | 玄米、コーンフレーク | 白米、パン、餅、煎餅、粥、赤飯、バターライス |
果物 | そば、イチゴ、メロン、グレープフルーツ、みかん | パイナップル、柿、ぶどう | 果物ジャム、缶詰 |
野菜 | 葉物野菜、ブロッコリー、ピーマン、きのこ類 | さつまいも | じやがいも、里いも、長いも、人参 |
乳製品 | 牛乳、チーズ、ヨーグルト、バター | アイスクリーム | 練乳 |
他にも食物繊維を摂ったり、野菜やタンパク質を食べてから白米を食べたりするなど、食べる順番も意識するとよいでしょう。このような食べ方や食べる順番に気をつけるだけでも違ってきます。おやつを食べる場合は、空腹時にいきなり糖分の高いものを摂らずに、食後すぐに少量だけ食べると血糖値の急上昇を防ぐことができます。
関連記事:糖質だけ気にしてもダメ?『GI値』そして今注目の『GL値」って何?
ダイエットの開始当初は気合いが入りすぎて、厳しい糖質制限を自分に課した結果、長続きせずリバウンドしてしまう方は多いです。ダイエットを継続できるように、少しずつ糖質を減らしてみるとよいのではないでしょうか。
糖質制限ダイエットは、主食(炭水化物)の見直しからはじめよう
毎日食べるごはんだから。続けることが何より大事だから。
私たちの日常の食生活で、最も多くの糖質(炭水化物)を摂取しているのは、ごはん、パン、麺といった「主食」からです。その主食の「ガマンしない、ムリしない」糖質とカロリーのコントロールが、糖質制限やダイエット成功のカギを握っていると言えます。
お茶碗1杯、レタス約半玉分の「食物繊維」を含む、GI値を抑え、「糖質とカロリーがカット」されたこんなお米もあります。
たとえば夕食だけ主食を抜く「緩やかな糖質制限」は非常におすすめです。実は私も実践していまして、基本的に朝と昼はしっかり食べますが、夕食の炭水化物は抜いています。ぜひ、緩やかに血糖値を上げることを意識してみてください。
なるほど!藤堂先生のトゥルッツル美肌の秘訣も糖質制限にあったんだね!
あのな…めたぬーの「脂肪でプルンプルン」との違い、分かってる?
ダイエット、続けるならコレ!
お茶碗1杯、レタス約半玉分の「食物繊維」を含む、GI値を抑え、「糖質とカロリーがカット」されたこんなお米もあります。
監修
医師
Alohaさおり自由が丘クリニック 院長 藤堂 紗織
日本医科大学医学部卒業。
日本医科大学武蔵小杉病院で研修後、腎臓内科学教室に入局。
その後、善仁会丸子クリニックにて10年院長勤務。
現在は、Alohaさおり自由が丘クリニックを開業。内科、皮膚科、美容皮膚科を標榜している。
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